【海の見える杜美術館】見事な遊歩道を抜け「蘇州版画の光芒」展を見てきた
広島県は廿日市市の山手にある不思議な建物、海の見える杜美術館へ初めて行ってみた。
実際にはあの不思議な建物は平等大慧会という仏教系宗教法人の本部であり、その一部を美術館としているようだ。
ナビに従い車で向かい、駐車場に車を停める。敷地内の案内掲示板がによれば、遊歩道を通って美術館まで行けるのだそうだ。美術館までは坂道を15分くらい歩くので、シャトルバスも出ているようだが、遊歩道も見たいし、運動もしたいので歩いて行くこととした。
遊歩道に足を踏み入れる。その庭園の美しさと見事さに、内心で驚く。
満開の桜に、ユニークな彫刻。後方にはかの建物「王舍城」。
水車小屋。
日本庭園風の小川。
その他の綺麗な草木や花々、彫刻作品などを見ながら、異世界にでも来たような心持ちで美術館へと向かった。
美術館のすぐそばは急な坂道になっていたが、そこにも見どころがあった。
こちらをギロリと見下ろす巨大なウサギ。な、なんだこのウサギは。なんだかわからないがすごい迫力だ。
その隣には亀の形をした巨岩。こちらも迫力あり。ガメラのように動き出しそう。
そんなこんなで美術館に到着。フロントでチケットを購入して入場。チケットは¥1000で、企画展の料金としてはそんなに高くない。
まずは常設展である香水瓶の展示室へ。小さいが美しく神秘的な展示室。
古代のものから中世のもの、近代のものまで、さまざまな香水瓶が鑑賞できた。
その後エレベーターで2Fに上がると、「蘇州版画の光芒」展が始まる。
蘇州版画とは17~18世紀、国際都市であった蘇州において流行した民間芸術。西洋美術の影響が多分に見られることが特徴で、人々の生活に彩りを与える美術品であると同時に、重要な教育・娯楽のためのコンテンツでもあったようだ。
我々にとっても馴染み深い題材を取り扱ったものも多い。三国志や水滸伝の名シーン、孔子のエピソード、関羽や秦叔宝、尉遅敬徳といった、神としても崇められている英雄たちの絵などもあった。
2Fの展示室を見終わると眺めのいいテラスで休憩できる場所に出る。コーヒーなど飲み物も無料で頂ける。
そのあとで1Fに下り、もうひとつ展示室を見て終了となった。
改めて遊歩道を歩いて駐車場まで戻った。遊歩道にあるユニークな彫刻作品のうち、気に入った2点の写真を載せておこう。
犬の頭の上に不思議なものが突き刺さっている。『森の精霊と番犬』、だそうだ。
鯨に乗った兎と猿(?)。『しあわせについて』というタイトル。
美術展も良かったが、庭園や山手から見える景色なども素敵な美術館。敷地内にはフランス料理店などもあるようだ。また何か展覧会があれば来てみたい。