【ひろしま美術館】「風景画のはじまり コローから印象派へ」展へ行く
広島へ行く。夜は退廃的に飲み歩き遊び歩くつもりだが、日が登っているうちは文化的なものにふれたくて、ひろしま美術館「風景画のはじまり コローから印象派へ」展を見にいった。
この展覧会はフランスはランス美術館から借り受けたコレクションをメインに、19〜20世紀の画家たちが描いた「風景画」を紹介していくといったもの。
のどかで美しい風景が描かれた作品が並んでいるが、やはり作家それぞれで個性がある。
ちょっとダークな色調の中に、自然のリアルさや力強さが感じられるコロー。ラフなタッチがむしろ写実的リアルさを生み出しているブータン。カミーユ・ピサロの風景画はこの作家らしい明るさと華やかさが、モネの絵には特有の神秘的な光が、それぞれ満ちている。ルノワールは人物画の印象が強いが、風景画においてもやはり「なるほどこれはルノワールだな」とわかる“らしさ”がある。
自分的にはブータンの描いた牛の絵が気に入った。
常設展も見にいく。ひろしま美術館の常設展は何度も見ているので内容はおなじみと思いきや、ある程度展示内容に入れ替えがあったようだ。
私がひそかに興味を抱いているエコール・ド・パリの画家シャイム・スーティンの「にしんと白い水差しのある静物」は引っ込められており、代わりに「椅子に寄る女性」の絵が展示されていた。タイトル通りの人物画だが、やはりこの画家らしい独特の色合いやタッチ、そして歪みがそこにはあり、どうにも心をひかれてしまう。
あとはレオナール・フジタの絵も見たことがないものに入れ替わっていた。レオナール・フジタの作品はいいね。その美が素直に感性に染みわたる。
しっかり絵を見た後は、美術館のカフェで、この展覧会期間中の特別メニューを食べた。
ペーシュ・メルバとアイスコーヒー。
ペーシュ・メルバは「近代フランス料理の父・エスコフィエが考案したデザート」だそうで「バニラアイスと桃のコンポートにラズベリーソースを添えて、甘酸っぱい風味をご堪能ください」とのこと。
展覧会のパンフレットなどを見返しながら頂いた。